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”ダブルハッピネス”の著書杉山文野さんの2作目
”元女子高生、パパになる”を僕自身もパパになるタイミングで読ませてもらった。
タイトルから文野さんが実際にパパになるまでの経験談を綴った作品かと勝手に思っていたのだが
文野さんがダブルハッピネスを出版してから約15年
”普通でありたい”という思いから動き続けた奮闘記となっていた。
もちろん文野さんファミリーにお子さんが誕生するまでの思いも書かれているのだが、より詳しく書かれた書籍は
”3人で親になってみた ママとパパ、ときどきゴンちゃん”の方に
3人が親になるまでに話し合ったことや実際に生まれてからぶつかった多くの壁が詳細に綴られている。
(後日こちらも感想をまとめます!)
第1章 彼女のこと
第1章では現在のパートナーさんとの出会いから文野さんが”ダブルハッピネス”を出版した事で得た副作用について語られている。
本を出版し、社会から反響を得る事で知名度が上がりいいじゃないかと思いがちだが、実際には”性同一性障害の人”という認識になってしまい、どのような活動をしても、”性同一性障害の人がこういった活動に精を出している!”という形で報道されてしまい、苦しんでいたようだ。
第2章 親のこと、活動のこと
今ではパパになった文野さん、ここまでの道のりは順風満帆なものだと勝手に想像していた。
しかし、実際はそんなことはなくパートナーさんのご両親からお付き合いについて大反対をされていた。
反対されながらも、NHK番組の司会やマイノリティの方のコミュニティ作りなどを中心に活動を継続されていた。
第3章 東京レインボープライド
毎年ゴールデンウィークに開催される東京レインボーパレード
パレードを開催するまでの具体的な奮闘記や、イベントが大きくなるにつれてぶつかっていた壁についてが記されている。
個人的にGRAMMY TOKYOというクラブイベントで毎年フロート参加させてもらっている東京レインボーパレード。
当たり前のように参加させてもらっていたが、参加させてもらっている裏ではそんな大変な苦労があるなんて、知らなかったので、毎年開催していただいていることに改めて感謝している。
第4章 同性パートナーシップ条例
渋谷区から始まった同性パートナーシップ条例
この条例がどのような経緯で始まったのか、どのような思いで動き始めたのかそして、炎上してしまったことまでが具体的に記されている。
そして付き合って5年になるパートナーさんと”未来が見えない”という大きな壁にぶつかったことも赤裸々に記されていた。
第5章 ファミリーのこと
お付き合いを大反対されていたパートナーさんのご両親との壁をどのようにして乗り越えたか
そして、パートナーさんと親友であるゲイのゴンちゃんと3人で子どものいる家族になるまでの経緯やお互いの思いなどが記されていた。
感想
”普通でありたい”という思いから文野さんが走り続けた15年間
普通でいたいだけなのに、気持ちとは裏腹に、有名になったがゆえに当事者から届くたくさんの声と”性同一性障害の人”という見られ方。
僕は勝手に”LGBT活動家の文野さん”と認識していたが、ご本人は活動をしているという意識は少なく、僕たち世間が勝手に文野さんが FTMということとと文野さんの活動を結びつけていたんだなと感じた。
そして今回この本を読んで感じたことは、LGBT関係なく、言葉は悪いが”普通”とは変わったものを持っている時点で誰でもそういう目でみられることはあって、文野さんの言葉を借りると、だれもが何かのマジョリティでだれかのマイノリティであるのだ。
誰しもがマイノリティな部分はもっていて、それが目に見えるものであったり目に見えないものであったり、様々。
だからといってマイノリティ部分を否定する必要はなくて、すべてを理解して!と叫ぶ必要もはい。
そういう人もいて、そういう部分もあるんだなとお互いが知ることができたらみんなが住みやすい社会になるのではないか。
何より自分が自分らしく生きることができるのではないか。
そう感じさせてくれた1冊だった。
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