FTMの就活事情

FTMの治療

自分が生きたい性別を生きると決めてから、就職活動をどのようにしていくのがいいか悩む方も多いだろう。

僕は大学生時代を女性として過ごしていたが、就職のタイミングで男性として生きることを決めた。
そう決意して就活を始めるのだが、訳あって僕は在籍している大学と関連のあるところを就職先に選んだ。

そして、今は女性として生活しているが男性として入職したいことを就職面接の時に全てを面接官に話しておきたかった。
しかし、大学との関連施設となると、就職面接の時の話が全て学校にも伝わってしまう。

そうなるとまずは、僕自身のことを学校にもカミングアウトする必要があった。

就活のために学科長へカミングアウト

就活に向けてのまず第一歩目が、学科長へのカミングアウトだった。
僕たちの大学の学科長は非常に気さくな方で、優しい人だったが、廊下で捕まえてそう簡単に話せるような方ではない。(当たり前だが笑)
そのため、当時仲の良かった事務の先生を通してアポをとってもらい1対1で話をする時間を作ってもらった。

学科長の部屋へ約束の時間に訪れて、事情を全て話した。

・現在は女子学生として受け入れてもらっているが、就職先には男性として受け入れてもらいたいこと
卒業までにはSRSを受けたいこと
就職面接でその旨を全て伝えておきたいこと
・関連施設であるため、自分が面接時にカミングアウトをすることで就職先や学校に混乱を招きたくないため事前に相談をさせてもらったこと

全ての話を静かに学科長は聞いてくれた。
そして、こう言ってくれた

就職先には私からも事前に話をしておきます。
また、手術を受けるということですが、体には本当に支障は出ないのでしょうか。
卒業前には国家試験も控えています。手術を受けることで、体調に影響が出てしまうことが心配です。
できるのであれば、国家試験後に手術を受けた方が、いいのではないでしょうか。”

自分が思っていたよりもすんなりと受け入れてもらえたことが嬉しかった。
そして、手術は試験後に受けるということを学科長にも約束した。

いざ就職面接へ

学科長へのカミングアウトというハードルをクリアした僕は、就職面接は全く怖くなかった。

おそらく3人の面接官がいたと思う。
志望理由など、通常よく行われるであろう質問をされた後に

”学科長からもお聞きしていますが、、、男性として就職したいということでお間違えないでしょうか。

ついにきたぞこの質問!

僕は胸を張って

”はい!!”

と答えた。

すると面接官は

”わかりました。そうすると、制服も男性用、更衣室やトイレも男性用を使用してもらう形で大丈夫でしょうか。

とどのようにして扱って欲しいのかという色々な質問が飛んできた。
しかし、面接官も物珍しい様子で僕を見ているわけではなく、”どのように対応して欲しいのか”という要望を聞き出そうとしてくれていたので、質問に対して僕は気持ちよく答えることができた。

そして無事に就職内定が決まった。

人事部長とのメール

内定が決まった後、入職オリエンテーションや健康診断の件で人事部長とメールにてやり取りをすることがあった。

・就職先の部署のどの役職までFTMであることを伝えるか
・健康診断は男女別の受診時間は別に個別で時間を設けることになるが大丈夫か。

上記のようなやりとりを個別でさせてもらっていた。

人事部長は本当に素敵な人で、どこまでも寄り添って対応をしてくれた。

そしてオペ直後の体をいたわり
このようなメッセージまでくれた。

”お身体の方は如何でしょうか。
我々は当然ながら偏見も何も全くございません。
ただ今後就業するにあたり、ご意向も色々とお伺い致したく思いますので、オリエンテーション終了後、
少しお話しましょうか。”

涙がでるほど嬉しかった。
少なくともこの職場を就職先に選び、この人事部長に出会えたことを誇りに思った。
(のちに自分のステップアップのためにこの職場は2年で辞めてしまったのだが(^^;)

社会って思っているよりも素敵な場所なのかもしれないと思えた就職活動だった。

どのように対応して欲しいかを伝える

今回僕が就活を通して感じたことは、自分自身がどのように対応して欲しいかを細かく伝える必要があると思う。
特に最近はLGBTへ柔軟な対応をしてくれる会社が多いように感じる。
しかし、当事者がどのように対応して欲しいのかは会社としてもまだわからない部分多い。
そのため、就職先にもこちらとして対応して欲しい希望を伝えると、先方にとっても非常に受け入れやすくなると思う。

例えば
・カミングアウトする範囲
・SRSを希望する場合は実施するタイミングやその際の休み取得は可能かどうか
・トイレや更衣室、制服どちらを希望するのか
など

人によって大きく変わってくるため、会社と納得いくまで話し合うべきだと僕は感じた。


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この記事を書いた人

0歳
女として産まれる
18歳
自分が何者かわからなくなる
24歳
戸籍を男性に移行
27歳
シス女性と結婚
AID 反対の両親を4年かけ説得
30歳
シリンジ法にて妊活を開始  
31歳
FTMパパになりました。

女性として生きていた時から男性そしてパパになるまでの自分の過程を綴っていきます。

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